労働審判FAQ

労働審判事件が移送されるのはどのような場合ですか?

 労働審判事件の移送には、①管轄違いを理由とする移送と、②裁量移送があります。
 ①管轄ではない裁判所に労働審判手続が申し立てられた場合、裁判所はその申立てを却下することができず、管轄裁判所に移送することになります。
 ②裁量移送とは、管轄の裁判所に労働審判手続が申し立てられた場合であっても、当事者に便宜である等、事件を処理するために適当な場合に、他の裁判所に事件を裁量で移送することをいいます。

 労働審判事件の管轄裁判所は、次のとおりです。
① 相手方の住所、居所、営業所もしくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所
② 紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて、当該労働者が現に就業し、もしくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所
③ 当事者が合意で定める地方裁判所

 労働審判手続は、「地方裁判所」の「本庁」でのみ認められるのが原則です。地方裁判所の「支部」で労働審判手続が行われているのは、現在、東京地方裁判所立川支部、福岡地方裁判所小倉支部、長野地方裁判所松本支部、静岡地方裁判所浜松支部、広島地方裁判所福山支部の5支部のみです。