労働審判手続は、原則として3回以内の期日において審理を終結し、調停・労働審判で解決する手続です。しかし、事案の性質上3回以内の期日で審理を終えることが困難な事案や、労働審判や調停による解決に適さない事案の労働審判が申し立てられることがあるため、労働審判法24条1項は、「労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。」と定め、労働審判を出さずに労働審判手続を終了させることができるものとしました(24条終了)。
24条終了により労働審判事件が終了した場合は、労働審判事件が終了した際に継続していた地方裁判所に訴え提起があったものとみなされます。
もっとも、事案の性質上3回以内の期日で審理を終えることが困難な事件等であっても、当事者双方が調停で解決する意思がある場合などは、調停で解決する可能性がありますので、直ちに24条終了させるのではなく、出来る限り審理を行った上で調停を試みるべきと考えます。