労働審判手続は、弁護士に依頼せずに代表権のある社長などが労働審判期日に出頭して対応することは理論上、可能です。しかし、労働審判手続では、権利義務関係を踏まえて調停や労働審判が行われますので、労働問題に関する専門知識と労働裁判の実務経験が豊富な弁護士でなければ対応することは困難です。
労働問題に関する専門的な知識経験を有する弁護士に依頼せずに労働審判を対応した場合、本来よりも解決金の額が高くなる等の不利益を受けることになりかねません。また、原則として弁護士でないと代理人になれませんので、代表権のある社長などが期日に出頭しないと、人事労務担当部長などが出頭したとしても調停を成立させることはできません。
2013年~2017年の統計では、労働審判を申し立てられた相手方(主に会社側)の約86.1%が代理人をつけて対応しています。この事実は、労働審判の対応を弁護士に依頼する必要性の高さを裏付けているといえるでしょう。